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防爆エリアの計装:Ex d/Ex ia の違い、本質安全バリア、ゾーン区分と機器選定

この記事の結論(先に答え)防爆エリアの計装は「ゾーン区分→防爆構造(Ex d 耐圧防爆/Ex ia 本質安全)→温度等級・ガスグループ→認証(IECEx/ATEX)」の順に決めます。ゾーン0・1の計装はEx ia+安全バリア(またはアイソレータ)が標準で、Ex dは現場機器単体に向きます。ベトナムでは輸入時の認証書類と据付検査の両方が求められます。

塗装ブース、溶剤タンク、LPG・水素設備、化学プラント、アルコール工場——可燃性ガス・蒸気・粉塵が存在する場所では、計装機器も防爆仕様が必要です。しかし「Ex d」「Ex ia」「バリア」といった用語は分かりにくく、不適切な選定は安全上の問題と監査指摘につながります。この記事では、防爆エリアの計装で最低限押さえるべき考え方を整理します。

1. ゾーン区分(危険場所の分類)

ゾーン(ガス/粉塵)定義例
ゾーン0 / 20爆発性雰囲気が常時または長時間存在タンク内部、容器内
ゾーン1 / 21通常運転で時々存在する充填口周辺、ポンプ・弁のシール付近
ゾーン2 / 22通常は存在せず、存在しても短時間上記の周辺、換気された室内

どのゾーンかは、事業者側の危険場所区分図(ハザードエリア分類)で決まります。機器選定の前に、設置場所がどのゾーンかを必ず確認してください。

2. 防爆構造の種類

  • Ex d(耐圧防爆):内部で爆発しても容器が耐え、外部に火炎を出さない。モーター、ヒーター、大型機器。重く、通電中は開けられない
  • Ex ia/ib(本質安全防爆):回路のエネルギーを着火限界以下に制限。センサー・トランスミッタ・スイッチに主流。ゾーン0はEx ia。通電中の保守が可能
  • Ex e(安全増防爆):火花・高温を発生しない構造を強化。端子箱、照明
  • Ex n(非点火):ゾーン2限定の簡易構造
  • Ex t(粉塵防爆):粉塵の侵入を防ぐ容器構造

3. 本質安全バリアの役割

Ex iaのセンサーを使う場合、安全場所(制御室)側に本質安全バリアを置き、危険場所へ流れる電圧・電流・電力を制限します。バリアには2種類あります。

  • ツェナーバリア:安価だが、確実な接地(1 Ω以下)が必要
  • 絶縁型バリア(ガルバニックアイソレータ):入出力を絶縁し、接地の制約がない。現在の主流

バリアとセンサーの組み合わせは、エンティティパラメータ(Uo・Io・Po・Co・Lo と Ui・Ii・Pi・Ci・Li)とケーブルの容量・インダクタンスを計算して適合を確認します。一般の信号アイソレータはバリアの代わりにはなりません。

4. 温度等級とガスグループ

  • ガスグループ:IIA(プロパン等)、IIB(エチレン等)、IIC(水素・アセチレン)。IICが最も厳しい
  • 温度等級:T1(450 ℃)〜T6(85 ℃)。機器の表面最高温度が、対象ガスの発火温度より低いこと
  • 銘板表記例:Ex ia IIC T6 Ga = 本質安全、ガスグループIIC、表面温度85 ℃以下、ゾーン0対応

5. 認証

国際的にはIECEx、欧州ではATEXが標準で、ベトナムでも広く受け入れられています。日本の防爆検定(TIIS)品は日本国内向けのため、ベトナムの設備ではIECEx/ATEX品の方が書類面で扱いやすいのが実情です。輸入時には認証書・適合宣言書・取扱説明書(防爆条件の記載)を揃えます。

6. 機器選定のチェックリスト

  1. 設置場所のゾーン、ガス(粉塵)の種類、発火温度
  2. 必要な防爆構造(Ex ia/Ex d等)と認証(IECEx/ATEX)
  3. 本質安全回路ならバリアの選定とエンティティ計算、ケーブル仕様
  4. ケーブルグランド・配管の防爆仕様
  5. 設置・点検記録(IEC 60079-14/-17に沿った施工と定期点検)

7. ベトナムでの実務

HOANTRANTDHは、Georgin(防爆圧力・温度スイッチ、レベル計)、Dinel(防爆レベル計)、Mose(防爆温度センサー)などのIECEx/ATEX認証機器と、本質安全バリアを供給し、ゾーン確認から機器選定、エンティティ計算、設置までを支援します。詳細は計測機器、化学・塗料向けソリューションへ。

よくある質問

本質安全バリアとアイソレータは同じものですか?
違います。本質安全バリア(絶縁型バリア/ガルバニックアイソレータ)は、危険場所へ送るエネルギーを制限して着火を防ぐ防爆機器で、認証が必要です。一般の信号アイソレータは絶縁・ノイズ対策が目的で、防爆機能はありません。

Ex dとEx iaはどちらを選ぶべきですか?
センサー・トランスミッタのような低電力機器はEx ia(本質安全)が主流で、通電中の保守ができる利点があります。モーター・ヒーター・大電力機器はEx d(耐圧防爆)になります。

ベトナムで防爆機器に必要な認証は?
国際的なIECEx、欧州ATEXの認証品が広く受け入れられています。ベトナム国内では防爆機器の適合評価が求められる場合があるため、輸入時に書類を揃えておく必要があります。

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